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Press release
March 27, 2024

クラウドインフラの ROI を管理する FinOps SaaS「Octo」提供開始

企業内のあらゆる関係者に必要な切り口でクラウド費用データを提供、意思決定をサポート

アルファス株式会社(以下、当社)は、国内外で注目の高まる FinOps を企業・組織内で実践することを可能にする新プロダクト「Octo」(読み:オクト)を本日より提供開始いたします。

Octo は、非エンジニア部門にとっては特に複雑で難解なクラウドインフラ費用について、企業・組織内のあらゆる関係者それぞれが必要な切り口と理解できる粒度でデータを可視化します。ブラックボックスになりがちなクラウドインフラ費用の透明性を高め、分析をしやすくすることで、専門性や知識の異なる部門・スタッフ間での協働を可能にし、拡大していくクラウドインフラ費用の最適化や ROI 改善のためのアクションに関する議論・決定をデータにもとづいておこなうことをサポートします。

背景

Amazon Web Services(AWS)、Azure、Google Cloud に代表されるパブリッククラウドに対する企業・組織の支出額は年々伸びています。

調査会社 Canalys(シンガポール)によると、2023年のクラウドインフラ費用は前年比 18%増の 2,904億米ドル(約 43兆円)に達しており、2024年の成長率はこれを上回る 20% と想定されています [1]。日本国内においても同様で、調査会社 IDC Japan によると、日本国内のパブリッククラウドサービス市場は 2022年に 2兆1,594億円(見込み)で、2021~2026年の年間平均成長率は 20.8% と予測されています [2]

こうした世界的なクラウドインフラ費用の拡大に呼応して、パブリッククラウドを利用する企業・組織の側では費用を適切に管理・最適化したいというニーズが高まっています。

パブリッククラウドへの支出額の大きい欧米圏を中心に広がる「FinOps(クラウド FinOps)」は代表的なフレームワークです。FinOps は、パブリッククラウドへの支出に関する説明責任(アカウンタビリティ)を果たす取り組みであり、エンジニア部門と非エンジニア部門の協働を可能にするような組織文化の変革を目指すものです [3]

当社は、FinOps に関する認定資格である FinOps Certified Practitioner(FOCP)有資格者を社内に 5名擁しているほか、国内外の大手クラウドリセール事業者に向けたクラウドインフラ費用管理ツール「Ripple」を2018年から提供しており、AWS の国内売上高の 5%超 [4] を管理するなど、クラウドインフラ費用管理に関する国内のトップランナーです。

新プロダクト「Octo」

Octo は、企業・組織が FinOps フレームワークを実践する際に強力な手助けとなる SaaS ツールです。Octo は、企業・組織に以下のようなベネフィットを提供します。

クラウドインフラ費用の集計を自動化

パブリッククラウドベンダーの提供する費用や利用状況に関する膨大なデータを対象とするクラウドインフラ費用の集計・分析は、コストに対して意識・関心の高い経営層や経理部門がみずからおこなうことが難しく、多くの場合、インフラエンジニアの手を借りておこなわれています。Octo は、インフラエンジニアをわずらわせていた集計・分析を自動化します。

費用の正確な配賦によるユニットコストの把握

事業やサービス、プロダクト(利用部門)ごとのクラウドインフラ費用を最適化するためには、そうした利用部門単位での費用を正確に把握する必要があります。Octo は、複数のアカウントやコスト配分タグを利用して集計するほか、共通基盤のクラウドインフラ費用もルールにもとづいて按分し、各利用部門に配賦できます。企業・組織レベルでの調達原価の最適化による費用削減(節約)分を利用部門に配賦することも可能です。

責任範囲・関心に応じてカスタマイズしたダッシュボードによる費用理解

FinOps フレームワークでは、 FinOps の活動には経営層・事業責任者・経理部門・エンジニア・調達部門など企業・組織内のさまざまな関係者が関わります。一方で、こうした関係者が持っている技術的知識や費用に対する関心はそれぞれ異なります。Octo は、関係者それぞれの責任範囲や関心に応じてダッシュボードをカスタマイズ可能で、おのおのの確認したいデータを理解しやすいレベルで表示できます。

費用最適化サイクルの構築・運用

利用部門ごとに正確に集計されたクラウドインフラ費用の正確な認識が、企業・組織のコスト意識を高めるうえで最初の重要なステップです。クラウドリソースの最適化や割安な購入オプションの検討のもとになるデータ集計の自動化により、費用見直しのサイクルの短期化や連続的なコスト削減プロセスを実現します。

「共通言語」にもとづいた適切な議論と意思決定

クラウドインフラ費用の正確な理解は、クラウドインフラ費用の最適化を進める企業・組織内のあらゆる関係者のコミュニケーションの土台となる「共通言語」の役割を果たします。カスタマイズされたダッシュボードを定期的に確認するプロセスを通じて、直近に生じた費用の迅速な認識や、適時な予算策定・費用削減の議論や意思決定が可能になります。

Octo の利用はクラウドインフラへの投資収益率を改善し、企業・組織におけるデジタルトランスフォーメーションのさらなる推進をサポートします。

担当者のコメント

通常、AWS を始めとした技術的知識が不可欠な FinOps の導入・運用はインフラエンジニアにとっての負担が大きく、企業・組織にとって FinOps に着手するハードルとなっています。

クラウドインフラ費用の集計を自動化する Octo は、インフラエンジニアを日常的なコストデータの収集や分析業務から解放するほか、非エンジニアの経営層や財務部門もインフラエンジニアの負担に依存せずに FinOps に関与できる環境を実現します。

企業・組織が FinOps を経営戦略の一部に組み込むことは、増えるばかりのクラウドインフラ費用に対峙する姿勢を「単純な削減」から「意志のある最適化」へと変え、事業の売上や利益につながるコストのかけ方へと変えることができると考えます。

ーー 廣瀬 肇(当社 代表取締役)

お客さまのコメント

Octo は、技術者や財務担当者の両方からクラウドコスト管理を行うための優れた機能を備えており、当社の DX 戦略における重要なツールです。これにより、Excel ワークブックからリアルタイムのコスト追跡への移行を進め、すべてのビジネスセグメントでコストを追跡できるようにしています。

ーー Ryan Wood 氏(エレクトロルート ジャパン株式会社 IT 開発マネージャー)

脚注

  • [1] Canalys プレスリリース「Worldwide cloud service spending to grow by 20% in 2024」(2024年2月26日)
  • [2] IDC Japan プレスリリース「国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表」(2022年9月15日)
  • [3]「FinOps」に関する詳細は、この運動を主唱する FinOps Foundation の Web サイトや、当社による解説記事をご参照ください。
  • [4] 富士キメラ総研によるレポートをもとに当社算出。2023年通年。
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